Special Interview with 梶 望さん

宇多田ヒカルの新作アルバムを「オリコン4週連続1位」に導いたプロモーション脳を探ってみた!

2016年12月26日

宇多田ヒカルの新作アルバムを「オリコン4週連続1位」に導いたプロモーション脳を探ってみた!

宇多田ヒカル、AI、MIYAVIなど海外でも評価の高いアーティストのプロモーションを手がける ユニバーサルミュージックの梶さんにお話を聞きました。


梶流ヒットプロモーションの考え方

ーー今日はよろしくお願いします。デジタル時代におけるアーティストのプロモーションの成功論を教えて下さい。

梶さん
僕の中ではデジタルもアナログも戦術の1つなので、プロモーション戦略を達成させるためにデジタルが必要ならデジタル関連のプロモーションを展開します。 デジタル中心論になると、ツールばかりに目がいきがちですが、ツイッターやインスタを使う事は手段であって目的ではないのでそこは分けて考えてます。

ーー梶さんは、戦略家ですね!

梶さん
戦術ばがりに目がいってしまってると、KPIや軸がブレてしまうので、一番大切にしているのは、明確でブレのない戦略ですね。

ーー「戦略を考えて戦術に落とす」これは新規事業を展開していく上でも凄く大事ですよね。新規事業の場合、戦略がブレて最終的に「何が達成したかったのだろう…」と、思った経験が僕もあります。

梶さん
アーティストが生み出す作品の背景はブレていないので、プロモーションでそれがブレてしまうと何もかも台無しになってしまいますからね。

ーープロモーションの戦略を考える中でも、誰に音楽を届けるか?という事はすごく重要になってくると思いますが、そこは緻密に設計されるのですか?

梶さん
コンシューマーインサイトまで調査したうえで、リスナーのペルソナを細かく設計します。

ーー実際に戦略が固まって戦術を考える時、どのような戦術でいくか?それをメディアやツールに落とし込む際には、どのように取捨選択していますか?

梶さん
テレビの戦術、ネットの戦術も含めて、使うメディアやツールの特性の大枠は理解してるつもりですが、最終的には感覚に頼る部分もあります。

ーー「感覚に頼る」部分に何か秘訣がありそうなので、もう少し詳細に教えてもらっていいですか?

梶さん
流行りのサービスや話題になっているものは、実際に使ってみると、「あのプロモーションで使えるな!」といった感じでアイデアが閃きます。 さらに、それらのサービスの独特なルールを深く知る事でよりその感覚センスが養われていきます。この辺の説明は分かりやすく伝えるのが難しいので、「感覚に頼る」とい表現が正しいと思ってます。

ーー新しいサービスの情報収集などはどのようにされているのですか?

梶さん
他の業界にいる知人や友人、特にデジタルに詳しい若い人の話を聞いたり、昔じゃなくて今成功している人の話は時間をつくって聞きにいくようにしてます。 とくにIT業界の動きは1ヶ月でガラリと変わるような業界だと感じてますので、情報収集は怠りません。

ーー梶さんの人脈は幅広そうですもんね!

梶さん
自分で考え、行動できる事なんてたかがしれてますし、人に知恵を借りて助けてもらう事が多いので、人との繋がりや出会いは大切にしています。

ーー数多くのヒットを生み出している梶さんの仕事術には、人脈が締める割合が多いという事ですね。

梶さん
はい。僕は環境に恵まれていると思ってまして、よく周りから「ラッキーだね!」って言われるのですが、そういったラッキーな機会に出会えるのも、人との繋がりによるところが大きいと思ってます。

ーーよく「あいつは運が良いよね〜」って言われたりする事ってあると思いますけど、その運を活かすにはかなりプレッシャーがかかりますよね?

梶さん
相当かかりますね(笑)ラッキーな機会を掴むには結果を出してなんぼなので、僕の場合ですとアーティストプロモーションの成功の確率をとにかくあげる努力をしてます。

ーーそれはどんな努力なのでしょうか?

梶さん
それぞれのプロモーションのお題に対して、可能性を10通りくらいは最低でも考え、必ず実行します。成功の確率を上げるのは数も重要な要素なのでやりきります。

ーーなるほど。僕は営業出身なので数をやる事の重要性はとても共感できます。数をやりきると、成功要因、失敗要因含めいろいろと振り返る事ができますよね。

梶さん
1つ成功して残り9つが失敗してもやりきっているので、更に別の仕事でその失敗を活かす事ができたりするので、後悔しないです。大変ですけど結果的には良いと思ってます。

全米チャート3位のその先とは...

ーー国内外問わず、様々なヒットを成し遂げられていますが、次にチャレンジしたい領域があれば教えて下さい。

梶さん
日本のコンテンツのアウトバウンドです。今回、宇多田ヒカルのアルバム「Fantôme」が全米チャートで3位を獲得したのですが、その過程を自分なりに分析してみて、 日本のコンテンツもまだまだチャンスがあると肌で感じたので、この分野は意識してチャレンジしたいです。

ーーITインフラの整備、デバイスの進化、YouTubeをはじめとしたプラットフォームがコンテンツ産業の追い風になるともっと面白い世界観が生まれそうですね。

梶さん
YouTubeをはじめ、動画サービスの出現によって、コンテンツの世界的なボーダレス化は急速に進んでいます。 言語、国、ナショナリズムを超えて今の若い人達はあらゆるコンテンツにアクセスしています。自分の息子はまだ1歳ですが、何の抵抗なくタブレットを使いこなして、世界のYouTubeをガンガンみてます(笑)



アーティストプロモーションにおけるmycontestの役割

ーー今回弊社サービスを、アーティストのMIYAVIさんのプロモーションの1つとしてご利用して頂きました。サービスを利用された感想は教えていただけますか?

MIYAVIの新曲「She Don’t Know How To Dance」の曲を利用したダンス動画を募集。
優秀賞としてツアーファイナルでMIYAVIと共に共演ができるというオンラインコンテスト。
https://miyavi.mycontest.jp
梶さん
少し前までは動画コンテストなどを実施する場合、コストや準備期間がかかってしまうのですが、マイコンテストは価格もリーズナブルですし、アイデアから実行までとても早く進める事ができました。

ーーありがとうございます。その他にお気づきの点などがあれば是非教えて下さい。

梶さん
これはプロモーション設計の問題でもあるのですが、プロモーションを拡散させる仕組みづくりやSNS投票を促す設計の部分はまだまだ改善の余地あるかなと思ってます。 仲間ごとまでは達成出来ましたけど、まだ世の中ごとまでは到達出来てなかったので。

ーー最多投票のNARIさんのコメント欄には90件近いコメントが集まっていました。
その辺りは何か感じるものはありましたか?


3,000票以上を集め、見事MIYAVIと共演を果たしたFreestylerNARIさん
https://miyavi.mycontest.jp/entry/160


梶さん
とくにデジタル戦略の場は、ユーザーに語らせる場所が必要だと思ってます。リアルな場に置き換えると、学校や職場や井戸端会議のような。 そういった意味ではこのコメント数が物語るように、コンテストだけで終わらず、参加者とユーザーがつながりもてる場である部分はとてもいい仕組みだと思いました。

ーー先ほど、コンテンツのボーダレス化というお話がありましたが、今回のコンテストには海外からのユーザーも参加されてましたね。

梶さん
海外からの参加者や個性的な参加者がとても多く、MIYAVIっぽさが出たコンテストになったので、海外のファンからの愛を日本のファンとも共有でき、ブランディングにも寄与できました。

ーー最後に、今回のコンテストで感じた事などをお願いします。

梶さん
何と言っても一番嬉しかったのは、コンテストに参加してくれた方が、MIYAVIのステージに出演してくれ、皆さんの笑顔がみれた事ですね。 僕らが与えられるのは、そういったステージなどの機会しかないのですが、その笑顔の数が多ければ多いほど、エンタメの仕事に身を置いてよかったと思ってます。

ーー梶さん、今日は貴重なインタビューありがとうございました。



梶 望さん

ユニバーサルミュージック合同会社
プロダクトマネジメント本部 部長プロデューサー
1995年に新卒で(現)日本コロムビアに入社。1年後、東芝EMI(現・ユニバーサルミュージック合同会社)にゲームソフト部門の宣伝職として入社、 96年から音楽部門のマーケティング・プロモーションを担当。98年には宇多田ヒカルのデビューに関わる。
現在は宇多田ヒカルのほか今井美樹、MIYAVI、GLIM SPANKYなどを担当。


MIYAVI

1981年生まれ大阪府出身。
ソロアーティスト/ギタリスト。
エレクトリックギターをピックを使わずに全て指で弾くという、独自の“スラップ奏法”でギタリストとして世界中から注目を集め、これまでに北米・南米・ヨーロッパ・アジア・オーストラリアなど約30カ国250公演以上のライブを行い、今年開催された "SLAP THE WORLD TOUR 2014" を含む4度のワールドツアーをこれまでに成功させている。
http://myv382tokyo.com/



  • LINEで送る

その他の記事を読む

まずは無料でデモ版をお試しください

アカウント作成からテストページの作成まで、すべての機能を無料でご利用いただけます。
キャンペーンページの作成でお困りの際は電話やチャットでサポートいたします。

デモをお試し下さい

無料ですべての機能をご利用いただけるアカウントを発行いたします。是非お気軽にお試しください。

*入力した内容ですぐに送信されます