2016年10月7日
注目の女性ソーシャルメディアマーケターに聞く、ソーシャルメディアとの付き合い方
はじめまして。g&hの松山です。
弊社サービス「mycontest」におけるブログの記念すべき第1回目のゲストは、福田紗弥佳さんです。
「ピンタレスト・マーケティング入門」 を出版し、企業・ネット系代理店・自社メディアと3つの領域でソーシャルのお仕事を経験されている、とっても稀なキャリアをお持ちな福田さんに、ソーシャルメディアについてインタビューさせて頂きました。

企業はどのSNSからスタートするべき?
ーー今日はよろしくお願いします。早速色々と質問させて下さい。
SNSは数年で急速に伸びて、新しいサービスが出ては消え、出ては消えって感じですよね。
そうなると企業のデジタル担当者の方はトレンドを追うのが本当に大変だと思いますが、やっぱり根強いというか、王道のソーシャルメディアって何でしょうか?
福田さん
ターゲットによって訴求するSNSは変わってくるのですが、ターゲット層が多いのはやはりFacebook・Twitter・Instagramですね。
実施にこの3つを使っている企業さんはとても多いです。
ーーこの3つのSNSは僕も使っているので、何となくイメージが出来ます。
でも実際この3つを企業の担当者さんが運用するのは大変ですよね。SNSっていきなり同時に運用した方がいいのですか?
福田さん
同時に運用しなくてもいいと思います。
やっぱり、SNSの担当者を専任で置ける会社さんはまだ少ないので、まずは1〜2つのSNSからスタートするので十分だと思います。
ーー1つに絞るとしたらどのSNSが1番効果的ですか?
福田さん
ターゲットや予算次第ではあるのですが、経験上、予算をある程度確保出来るならFacebook、予算をかけられないけど手を動かす時間はあるならTwitterという感じでしょうか。
Instagramは世界観がとても大切なので、流行っているからという理由で安易に手を出さない方がいいと思います。
もちろん写真や素材をたくさんお持ちの企業さんなど、Instagramの世界観に合う企業にとってはとっても相性の良いSNSだと思います。
ーーネットの業界にいれば、SNS運用の話題って当たり前だったりしますが、全く運用していなかったり、続かなくてやめてしまった企業さんも多いですよね。
うまく運用を始める方法はありますか?
福田さん
無理をしないこと、継続する仕組みを作ることだと思います。すぐに効果が出なくても、継続すること。
今は様々な情報(ネットや本)で運用方法を気軽に学ぶ事が出来ますので、日々アップデートされる情報をキャッチアップしながらコツコツと続けていくのが一番だと思います。
ーー確かにそうですよね。結構、即効性を求める企業さんも多いですよね。「最短で出来る方法ありませんか?」みたいな(笑)
福田さん
あります。その気持ちも分かるのですが、SNSの運用って人間関係と一緒で、一夜にしてならずなので、逆に最短ばかり追ってしまうとコミュニケーションとして成立しなくなってしまいます。
これは参考になる!SNS企業アカウントは?
ーー今まで色々な企業さんのSNSをお仕事でご担当されたと思うのですが、福田さんが個人的に注目してるSNSアカウントを教えて頂いてもよろしいですか?
まずはFacebookページからお願いします。
福田さん
私は馬がとっても好きなので、JRA東京競馬場さんのFacebookページは頻繁にチェックしてます。
https://www.facebook.com/clubkeiba.tokyo
ーー馬ですか・・・! 意外ですね(笑)なんか馬が好きなイメージがなくて。
このFacebookページのどういう部分が福田さんの好きなポイントなのでしょうか。
福田さん
普通の告知やお知らせなどの投稿もあるのですが、馬が自分で話しているような投稿をしているところです。馬に対して愛着が湧きますし、さらに馬の写真も可愛いしで、頻繁にこのFacebookページを見にいってしまいます。例えば、この投稿を見てください!
ーーすいません・・・。僕にはあんまり良さが伝わってこなくて。
福田さん
それでいいと思うんですよね。このFacebookページを頻繁に見るのは、私のような馬好きなんです。
そんな馬好きのファンに刺さる投稿が出来ているという事は、SNS上のファンとのコミュニケーションが成立してる事になると思うんです。
コアファンとどのようにコミュニケーションをとるか、これがSNSを運営する上でとても重要な事ですし、私も大切にしています。
ーーなんか、馬の話になったら急にエンジンかかってきましたね。いい感じですね。
ではこの調子で福田さんの気になるTwitterアカウントを教えてください。
福田さん
馬関連でもいいですか?
ーーダメです(笑)・・・企業アカウントとかでお願いします。
福田さん
シャープさんとかは、Twitterの使い方がとっても上手だと思います。
ーーTwitterにおいて、シャープさんはどの辺がコミュニケーション上手ですか?
福田さん
これは結構有名でご存知かもしれませんが、シャープさんのTwitterって結構シュールなツイートをするんですよね。
最近ですとエレクトロニクスショーのCEATEC関連のツイートでして、こんな感じのツイートをされてました。
CEATEC JAPAN 2016 開幕しました。が遅刻しました。 pic.twitter.com/b498uYgkM7
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2016年10月4日
ーーこれは面白いですね。普通であれば、大企業が遅刻してるなんて・・・というマイナスイメージがつきそうですが、Twitter上では許されるみたいな感じはありますよね。
福田さん
はい。そこを理解するのが重要です。他にも、Twitterのトレンド欄のちょっとふざけたハッシュタグなどに乗っかったツイートをする企業さんは多いです。
TwitterにはTwitterの独自の文化があるんですよね、Twitterっぽいというか他のSNSとは違うというか。
またTwitterは若い世代の方とのコミュニケーションに適してもいます。
なので若い人達がどのようにTwitterを使っているか?などを日頃実際に使ってみて、リアルタイムでその時々の時流を理解する事が大事です。
SNSのトレンドは目まぐるしく変化しており、すぐに置いてかれてしまいますので、SNS担当者の方は普段から使って慣れる事が大事です。
ーーなるほど。色々なHow to系は出回ってますが、自分で使って体感すること・トレンド・著名アカウントで運用が上手いと思う企業のアカウント、これらを参考にするのは誰でもできそうですよね。
では最後の事例はInstagramということで、好きなInstagramアカウントはありますか?
福田さん
いろいろあるのですが、お酒が好きなのでサントリーさんのアカウントは好きです。
ーーこれはどういった所が好きなのでしょうか。教えてください。
福田さん
まず、普段あまり見ないお酒も知れるところです。商品があると、商品を真ん中にどーん、と置いてしまう企業も多いのですが、そうではなく、お酒があるシーンが見れたり、季節感があったりとか、飲み方を教えてくれるところが好きです。
写真1枚1枚のクオリティーも大切なのですが、Instagramではプロフィールページの世界観も大事なんですよね。
ユーザーさんは、プロフィールページを見て世界観が好きならフォローするといった導線があるので、Instagramを始めたばかりの企業さんはそういった世界観を大事にすることも重要です。
ーーなるほど!安易に手を出さない方がいい!と先ほど福田さんが言っていたのもそういう事と関係してくるんですね。
福田さん
はい。そういう事です。先ほども少しお伝えしましたが、世界観をしっかり表現出来て、素材や写真があるブランド企業さんでしたら、Instagram上でよいコミュニケーションをとれると思います。
サントリーさんは、春(Spring)夏(Summer)秋(Autumn)冬(Winter)みたいな区切りをつけて、サントリー製品をうまくビジュアライズされてます。
ーーお〜、これは確かに綺麗というかちょっとしたアートですね。ちょっとフォロワーの多い個人アカウントでも、プロフィールページでの見え方に拘っている方は多いですよね。
特に若い人はホーム画面上でアイコンの色でアプリを並び変えたり、Instagramでも独自の世界観を築いてる人が多いと思います。
福田さん
少しでも参考になって良かったです。
女性向け動画マガジン「LeTRONC(ルトロン)」とは?
ーーさて話しは少し変わって、冒頭でも少し触れましたが、福田さんが今運営しているメディア「LeTRONC(ルトロン)」についてお聞きしたいと思っております。
ーー実は「LeTRONC(ルトロン)」の事を知っていまして、たしかFacebookのタイムラインで見たんですが、ちょっと上質なメディアってイメージがありました。
最近僕が読んだ記事は「ラシーヌ ファーム トゥー パーク施設編 ~芝生と風、星、本。お酒とともに1日中過ごせる食空間 」という記事で、池袋にこんな所あったんだーって感じで読み出したら、他の記事のクオリティーも高く興味を持ちました。
福田さん
読んでくださってありがとうございます。そう言っていただけると運営する側としてはとっても嬉しいです!
ーー「LeTRONC(ルトロン)」はどのようなメディアなんですか?
福田さん
「LeTRONC(ルトロン)」は、大人のためのトラベル&カルチャー動画メディアです。
少しゆとりのある20〜30代の女性向けに、旅や体験をテーマとした情報を提供していて、「動く雑誌」を目指しています。
ーー30代男性の僕にも充分興味ある動画メディアです。テキーラの記事とかいいですよね!
あと、PCから閲覧した時の、右下に動画の枠が出て、動画を聞きながらテキストを読める感じもなんか新鮮な感じがしました。
また、1つ1つの記事にセンスと厚みがありますよね。
紙の女性ファッション誌的感じで、しっかりと編集されて作られているというか・・・。
福田さん
編集長やライターの方達は有名女性ファッション雑誌出身ですので、松山さんが感じた世界観を出せているんだと思います。
旬の情報もありますけど、いつ読んでも色あせないくらい1つ1つの動画や記事には拘って作っています。
ーー「LeTRONC(ルトロン)」では、どんな領域の仕事を手がけているのですか?
福田さん
「LeTRONC(ルトロン)」では、コミュニケーションプランナーとしてSNS運用や広告管理をしています。
ーー具体的には、どのような種類のSNSを運営してるんですか?
福田さん
Facebook・Twitter・Instagram・YouTube・LINEです。
ーー福田さんのキャリアって、1社目がIDOM(旧 ガリバーインターナショナル)でSNS担当。
2社目がネット広告代理店のオプトでソーシャルコンサルタント。
そして3社目が「LeTRONC(ルトロン)」を運営されているオープンエイトでソーシャルメディアプランナーでしたよね?
福田さん
はい。それぞれ業種は異なるのですがやる事は同じだと思っていまして、ターゲットに対してどうSNSで伝えるか?これにつきると思います。
ーーでは最後にこれからSNSを運用される担当者さんに何か一言お願いします。
福田さん
私が転職したのも「LeTRONC(ルトロン)」が好きで、このメディアと一緒に成長したいと思ったからです。
SNSに長らく関わって色んな企業さんを見てきましたけど、やっぱり長く続いて効果が出ている企業さんは担当者の方が自分の会社や自社サービスを凄く愛してるんですよね。
会社やサービスを好きな人にSNSを任せるのが一番適任かもしれません。
何かを発信するなら、愛を持って伝えていきたいですよね。
ーーインタビューの冒頭では、馬好きのドライな感じの方だと思ってましたが結構熱い方なんですね。最後の最後で福田さんの情熱が伝わってきました。
これからも「LeTRONC(ルトロン)」の記事を楽しみにしています!
今日は貴重なお話ありがとうございました。
福田 紗弥佳さん
30秒動画マガジン「LeTRONC(ルトロン)」コミュニケーションプランナー。
ガリバーインターナショナルではSNS担当、オプトではソーシャルメディアコンサルタントを経て、現職。
著書「ピンタレスト・マーケティング入門」→http://amazon.co.jp/dp/B011236MGY